瑞希、最大のぴんちです。私は志麻瑞希、今年14になる中学二年生。花も恥じらう乙女ってやつ?スカートは短くしたいけど、切る勇気は無いから膝上15センチぐらいに折ってはいてるよ。多分、どこにでもいる中学生だよね、あはは〜!……なんて、ふざけてる場合じゃないんだよね。今、瑞希は、おそらく人生最大のぴんちに立たされています。何って? そ、それは……お、おし……ダメ、そんな事……恥ずかしくて言えるわけないよぉ……。しかも...
ついにこの日が来てしまった。私、穂坂江里は緊張を隠せず、思わず手を握り締めてしまう。手にじっとりと汗がにじみ始めるのが分かる。駄目、こんな調子じゃ駄目よ。私は今夜一晩、隠し通さなきゃいけないんだから。いつも皆を弄り回して楽しんでいる側の私がこんな弱点を知られたら、きっとずっとネタにされるに決まっている。そんなの嫌、私は弄られるのなんてまっぴら御免なんだから。だから隠し通さなきゃ……大丈夫、私は隠し通...
今日は九月一日、始業式の日。……穂坂江里は、転校早々迷子になっていた。「もう……なんでこんなに校舎が広いのっ!? こんなの、誰だって迷うに決まってるでしょうがっ!」 うな垂れる江里の、ショートカットの左側に結んだ黒と赤のストライプリボンが揺れる。しかし、そんな事を言っているが、昇降口を入ってすぐにある案内板に気付かない江里も江里だった。つまりのところ、極度の方向音痴なのだ。穂坂江里という人間は。 だ...